山形の旅

先週末、現在東京で店舗内装デザインのお手伝いをさせていただいている
呉服屋さんの本社と染織工房がある山形へとお邪魔してきました。

旅のはじめは
おいしいお蕎麦からはじまりです。

山形では「げそ天そば」というものが主流だそうです。

普通”天ぷらそば”といえばかき揚げやエビ天などを思い浮かべますが、
周りを見渡してもみなさん「げそ天」を注文していました。

そのルーツには諸説あるようですが、
江戸時代にさかのぼり、当時は生モノが手に入りにくかったが、乾燥したスルメは食べられており、ゲソを水で戻して天ぷらで食べるのが庶民の間で好まれていたのではとの説が有力です。

それともう一つ
そばに直接一味をかけて食べるという食べ方も寒い地方ならではです。

その後は
糸の染めから織りまでの全ての工程を職人の手作業で行っている
染織工房へお邪魔しました。

草木染めをされていて職人自ら染料の材料を山へ採取に行き染められるとのこと。
その優しい色合いに思わず心奪われます。

古い蔵を移築した建物の中に入ると
若い女性の職人さんたちがみなさん熱心に
木製の織り機に向かって作業をしています。

緯(よこ)糸を通し、糸を寄せる

この時の”トントントン”という織り機の音がとても心地よい空間です

経(たて)糸を「綜絖(そうこう)」という緯(よこ)糸を通すための道をつくるため経糸を上下に動かす装置がついているのですが、そのひとつひとつの小さな穴に一本一本糸を通していくのです。その数1480本!!
下準備だけで何日もかかります。

今でこそこの綜絖は針金で出来ていますが、昔はこの部分も糸で作られていたそう、手で輪っかをつくりそこに糸を通していたそうです。

そんな70年ほど前の貴重な織り機も見せていただきました。

こんな綺麗な状態で残っているものはとても希少だそうです。

一切釘が打ち込まれていない昔ながらの木製の織り機を見てデザインのヒントを得たのと
この工房の雰囲気を新店舗のデザインに落とし込みができればと頭の中で
なんども空間を思い描きながら、プランを練っています。

それにしても、山形は人が温かく、食べ物、特にお野菜が美味しく、お酒も美味しい。
お腹も心もとても満たされた旅でした。

また春になったら訪れたいです。

hirayama

記事一覧へ戻る 記事一覧へ戻る