前回の記事で現場レポートさせていただいた
青山呉服屋さんの現場から続きをお届けします。
今回は天井に取り付けられたオリジナル照明についてのレポートを。
天井に取り付けられた大きな台形の照明
取り付けるのも一苦労です。
この傘の中央部分の窪みに
糸を巻いて作るシェードを取り付ける計画です。
糸も山形の染織工房で一本一本手で草木で染付をした
絹糸を使用します。とても贅沢です。
この糸を骨組みにひたすら巻いていきます。
毛糸ではありません。
絹糸なので、1本1本がとても細くとても繊細です。
これをひたすら何回も何回も巻いていきます。
手が慣れ始めるとリズムにのっていきます。
グラデーションにしてみたりといろいろ試していきます。
始めた頃は何度巻いても埋まらない枠に、心折れそうになりましたが、
ただひらすらに、コツコツと、糸と向き合い、心静かに進めていきます。
作業をしていると、あっと言う間に時間が過ぎます。
朝早く始めた作業も1つ完成する頃にはもう夜になっていました。
オーナーさんも一緒に糸巻きをしてくださいました。
本当に世界にひとつだけのオリジナルの照明です。
蚕から糸を紡いだ職人さんの想い、糸を染めた職人さんの想い、
これから始まる新しいお店への期待を込めたオーナーさんの想い
巻きやすいようにといろいろ試行錯誤してくれた大工さんの想い、
いろいろな想いを載せて、これから店舗の天井で訪れる人を
照らす照明になります。
3つの照明が仕上がった時には
もう気分は糸巻き職人です。
しばらくは糸を巻きたくなる衝動にかられました。
次回はいよいよ
完成までのラストスパートの様子
レセプションの様子をお届けします。
hirayama