減額調整について

昨日は東京の呉服屋さんの打ち合わせに。

難航していた見積りの減額調整もようやくゴールが見えてきました。
6月からB工事(ビル側手配の工事)が始まり、中旬過ぎから
着工になりそうです。

今日は予算よりオーバーした工事見積り金額を予算に近づけるために行う
減額調整について少しお話を。

私たちはオーナーさんの想いを聞き、目指す方向へ向かうために必要なもの、
良いと思うものを詰め込みMAXのデザインを提案します。

それはデザイナーの自己満足ではなく、
そこに訪れるお客様にこんな風に感じてもらいたいという想い、そして扱う商品をよりよく見せるため
に試行錯誤し、空間をつくり、ひとつひとつ丁寧に素材選びをしています。

そうするとどうしても、最初の見積もりは予算を上回った金額になります。

「予算を聞いているのに、予算内で提案してよ」
という声もあるかもしれません。

でも、私たちはそれでいいと思っています。
もし、予算内でおさめようと、私たちがいろいろなことを妥協していけば
本当はこっちの魅せ方の方がいいのに、予算がないからやめようと思ってしまったら、
オーナーさんは1段階下の状態からの選択になります。

もちろんある程度予算は頭に入れています。
お店を始めるのに必要な資金は店舗のデザイン、内装工事にかかる費用だけではありません。
商品の仕入れ、人件費、運転資金と他にもたくさん費用がかかります。

高かろうよかろう、ということではありません。
ただ、もし50万円予算がでてしまっても、それを選ぶことで
お店の価値があがり、訪れるお客さまにも変化があり、その後の売り上げも変わるとしたら。

絶対はありません。だけど、妥協したものより少し頑張った方が
自信をもってお店に立てる思うのです。
そしてその誇りはお店への強い愛情になり、きっとお客さまに伝わると思います。

デザインは装飾ではありません。
また作品でもありません。
いつでもそこにはそこを訪れるお客さまに感じてほしい想いがあり、オーナーさんの想いがあります。

だから金額だけを見ずに、しっかりと聞いてほしいのです。

何を伝えたいのか、そしてそれを選ぶことで自分たちの想いが訪れるお客さんに伝わるのなら、と
少し柔軟に考えてほしいのです。

全部を押し付けたりはしません。
優先順位を決めて、ここだけは譲れない、変えたくないという想いを共有し、
実現に向けて、本当に細かい費用のものから見直し、少しずつ予算に近づけていきます。

その時はオーナーさんも工務店さんも私も必死です。
でも想いはみんなひとつです。

“いいお店にしたい”

ただそれだけです。

なので、知恵を絞ります。イメージを変えずに予算を削減できる方法を
それぞれの視点から話します。

それぞれが譲れない部分、妥協する部分、頭を抱えながら何時間も・・
本当に骨が折れる作業です。

でもとても大事な作業。
諦めたことはまた頑張っていつか実現しようという糧にもなります。

そしてよりお店への想いが強くなるような気がしています。

等身大より少し背伸びしたくらいに。

完成は8月。
まだまだ気がぬけません!!!

hirayama

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